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2021年 アメリカ・イギリス
〜あらすじ〜
1386年のフランスは百年戦争と呼ばれた戦乱の最中であった。
騎士カルージュ(マット・デイモン)は、その気性の荒さから敵軍の挑発に乗って味方を敗走させてしまうなど、領主であるピエール伯より疎まれていた。
対して従騎士で友人でもあるル・グリ(アダム・ドライバー)は忠実でピエール伯のお気に入りだった。
そんな最中、カルージュの妻マルグリットは城で1人で留守番中に、友人のル・グリに強姦されたと訴えた。
カルージュは怒り狂い、ピエール伯ではなくフランス国王シャルル6世に決闘裁判による決着を直訴したことにより、大騒動へと発展する。
こんな人にオススメ
- 不器用な人が好き
- 刺激がほしい
- ドロドロの人間関係が大好き
(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
この時代の再現力はさすがの一言です
男尊女卑が根強い時代、男の一方的な考えによる無益な政策、このカオスな時代において女性が国を動かす歴史的な事件です。
上映時間は2時間半ありますが、あっという間に終わりますので、目が離せません。
そして戦場のシーンは「グラディエーター」を彷彿とさせる大迫力で、そこはさすがのリドリー・スコット監督です。
(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
真相はいかに
強姦された現場の目撃者がおらず、妻マルグリットの訴えが真実かどうか?が、この映画のすべてです。
主役のカルージュは領主ピエールから嫌われており、カルージュの父親が亡くなってその統治していた領土を息子カルージュが引き継ぐのかと思いきや、その領土をル・グリに継がすなど、不遇な扱いを受けていました。
カルージュの取り巻きは皆フラストレーションが溜まっている、そんな時に強姦事件が発生します。
(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
見どころ
面白いのは、3人のそれぞれの主観での回想シーンが入ることです。
妻マルグリットの記憶だとこう、ル・グリの記憶だとこう、という感じなので、共通したシーンでも微妙に違っているところがあるので、推理的な感じで観てしまいます。
カルージュは妻に良くしているつもりでも、妻マルグリットからすれば実は冷たい態度を取られていたり、カルージュが実施している財政テクも、妻マルグリットからすれば、
”なんでこんなことを?”
みたいな疑問ばかりだったりと、男女の考え方の違いだったり、色々な伏線が張られているところも注目です。
そう、まさに
男の自己満でやつ
終盤の妻マルグリットの表情には大注目です。
この最後に少々ネタバレです。
(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
意味深な最後
結局は強姦が真実かどうかの描写はありません。
カルージュが決闘裁判を直訴し国王シャルル6世に決闘が認められたときに、妻マルグリットにも確認します。
もし決闘に負けたら、偽証罪として服を脱がされ、さらに鉄仮面を被らされ磔にされた上に火炙りにされることに。
妻マルグリットはそれを承諾します。実はこうなることを知りませんでした。
しかしマルグリットにとっては後には引けない状況だったわけです。
そして決闘のあとの表情に注目です。喜んでいるような感じもなく、なにか遠くを見るような、放心状態のような感じがありました。
結局その理由は分かりません。発言もありません。
しかし勘ぐってしまいます。本当は...
観て判断してみてください