サスペンス

プライムビデオでオススメ【Winny】日本のIT技術の未来を左右した一大事件

126分

Amazon prime videoよりレンタルにて配信中

〜あらすじ〜

2002年、開発者・金子勇(東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発、試用版を「2ちゃんねる」に公開をする。

彗星のごとく現れた「Winny」は、本人同士が直接データのやりとりができるシステムで、瞬く間にシェアを伸ばしていく。

しかし、その裏で大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。

次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまう。

(prime video紹介文より抜粋)

こんな人にオススメ

  • 日本のIT黎明期における負の歴史を知りたい
  • 警察にイライラしても平気
  • すべてを失った東出昌大の演技を観てみたい

(C)2023映画「Winny」製作委員会

日本のIT後進国への道

「たら」「れば」は意味がありませんが

これほどまでにこの逮捕がなかったら

日本のIT技術はどうなっていただろうと、未来がみたいと強く思わせてくれます。

「2chネラー向きのファイル共有ソフトつーのを作ってみるわ」

大学助教授である金子勇は、ファイル交換ソフト「Winny」を開発した。

またたく間にユーザーは爆発的に増え、200万人に達したが、それは違法アップロードの温床となり、社会現象にもなった。

この事態を重くみた京都府警は著作権法違反をかかげ、違法アップロード者を数名逮捕、そして開発者の金子に任意同行を求めた。

京都府警は最初から逮捕する気でおり、取り調べでは言葉巧みに金子を騙し「誓約書」なるものを書かせ一旦釈放する。

その後、京都府警は正式に金子勇を逮捕した。

サイバー犯罪に詳しい弁護士の壇(だん)は、数人の弁護士と食事中だった。

そのなかの弁護士がこの一連の事件の弁護を頼まれていたが、ネット知識に乏しかったので、壇に弁護を依頼した。

「ナイフで刺したら罪になる。じゃあナイフを作った人は?」

「横暴を許したら技術者は誰もチャレンジできなくなる」

日本のIT業界の未来をかけた警察との長い戦いが始まった。

(C)2023映画「Winny」製作委員会 

最後の希望

 弁護を引き受けた壇ですが、裁判は圧倒的に不利でした。

検察は金子勇が書いた「誓約書」をかかげ、優位にたちます。

このままでは負けると判断した壇は、凄腕弁護士の秋田に協力を仰ぎます。

秋田はウワサ通りの実力でした。

金子勇に、最初に取り調べをした刑事が証人尋問に立たされます。金子に誓約書を書かせた刑事です。

秋田はこの証人尋問で刑事にウソをつかせることに成功し、さらに矛盾をつく。圧倒的不利だった状況から優位に立ちます。

その日の尋問が終わり、秋田は金子勇に聞きます。

「金子さんにとってWinnyとはなんなんですか?」

金子は言います。

「Winnyは私にとっての表現なんです。日本が良くなると思ってWinnyを作りました。」

そして判決が下ります。

(C)2023映画「Winny」製作委員会

日本のIT革新技術の別れ道

2004年、これから来るであろうIT技術の未来のため、国家権力に立ち向かった天才プログラマー・金子勇と弁護団の壮絶な闘いを描いたノンフィクション映画です。

主演は東出昌大、外見は本人とそっくりです。

純粋にパソコン好きな青年を演じています。

「開発者を罪に問えば、これからの新技術に挑む技術者が萎縮してしまう。」

この言葉のとおり、これからの日本のIT技術の未来を左右した一大事件でした。

(C)2023映画「Winny」製作委員会

警察はとにかく逮捕したい

日本の技術革新を阻害し、日本のソフト開発者をつぶしたといわれる「Winny」による著作権違法幇助(ほうじょ)による一連の裁判、

なにより警察側にこの革新的なソフトに関する知識はなく、幇助(ほうじょ)という無理矢理に近い逮捕理由のなかで裁判が始まりました。

金子勇の取り調べが始まり、早くケリをつけたい警察は「誓約書」なるものの下書きを用意し、金子勇にそれを転記をさせサインしてしまいます。 

ここが分かれ目でした。 

そこはサインしないでよ…いやいや、長時間の取り調べで精神的に滅入ってきているからそういう判断をしてしまったのかな…。

この警察の卑怯な手口に愕然とします。

当然、警察はそれを証拠として裁判で提示します。

そしてここから壇弁護士をはじめとする弁護団と警察との壮絶な戦いが始まります。

(C)2023映画「Winny」製作委員会

日本では締めつけ、アメリカは応用

この事件後、日本の技術革新は停滞したといわれ、技術者・金子勇が開発した技術を世界が応用し、今日(こんにち)のネット社会を作り上げてきた。

くしくもアメリカは同様の事件で逮捕者まではおらず、絶えず技術開発が進められてきた結果、IT業界は

GAFA(Google、Apple、旧Facebook、Amazon)の独壇場となり、

日本はとうの昔に追いつけない結果となった。

コメンテーターは金子勇を悪者に仕立て上げ、当然のごとくマスコミも乗っかり、そして最終的には政府をも動かしたこの事件、

何度もでるセリフ

「犯罪に使われた包丁を作った職人は罪に問われるのかー」

「自分が作ったソフトウェアが、第三者に悪用されれば開発者も罪になる。」

Winnyだけではなく、日本が世界に誇れたであろう新たな分野の技術を潰した瞬間。

2004年に比べ、現在はネットがなければ生きていけないようなこの社会で、この頃から世界と日本の差が少しずつ開き始めたキッカケの事件のように感じます。

(C)2023映画「Winny」製作委員会

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